NPO法人 しもむらスポーツクラブまいけ



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射水市下地区。

平成17年の市町村合併で「射水市」となる前、ここは人口2,000人余りの小さな村でした。
「しもむらスポーツクラブまいけ」の活動拠点「射水市下村体育館」は、のんびりとした田園風景が広がるこの地区の中心部にあります。

この地区ならではの取り組みをお聞きするべく、事務局長の小澤昭英さんとスタッフの皆さんにお話を伺いました。

 

事務局長の小澤昭英さん

 

 

—まず、昨年(平成28年)度のスポーツクラブ会員数は「293名」だったとお聞きしました。地区総人口の約15%が加入しているのですね。もともと、スポーツが活発な地域だったのですか?

 

そうですね。市町村合併前、まだここが「下村」だった頃から、「下村体育協会(現・下村地区体育協会)」主催の住民運動会やソフトボール大会、綱引き大会など、住民が参加するスポーツレクリエーションは盛んでした。スポーツに限らず、住民一体となって行なうレクリエーションが活発な地域といえるかもしれません。
もともと小さな村でしたので住民同士が顔見知りであることも多く、村全体でイベントや行事を行なうという精神が根付いていました。

下地区の子供から大人までが所属するよさこいチームもある。チーム名は「やぶさめ小町」。古くから伝わる伝統神事「流鏑馬(やぶさめ)」にちなんでいる

 

 

—その村に「総合型スポーツクラブ」が発足した当時は、どのような状況だったのですか?

 

当時、村の関係者の間には“市町村合併に伴って、これまで村民一体となって続けてきた活動が衰退していってしまうのではないか”という危機感が漂っていました。
そこで、「下村を考える会」を立ち上げ、下村体育協会や地区の各団体に協力を要請し、下地区の未来について話し合いました。特に、子どもたちのスポーツ推進活動はこれまで通り独自に続けていきたいという意見が多くあがりました。「地域の特色を活かしたまちづくりを推進したい」という市政の動向も受けて、平成18年、任意団体としての総合型スポーツクラブを発足。平成19年4月には、NPO法人格を取得しました。同年、活動拠点である「射水市下村体育館」等の指定管理を受託しました。

現在事務局スタッフは4名。クラブ全体では運営委員25名が活動している

 

 

—「まいけ」の特徴はどんなところですか?

 

まずは教室の内容に特色があります。「まいけ」では、射水市下村体育館以外にも下村馬事公園、下村パークゴルフ場、ふれあい農園の指定管理を行なっているという点を活かした活動をしています。
まず、「パークゴルフ教室」を開催しています。2000年富山国体のときに「下村パークゴルフ場」が主会場として整備されたのをきっかけに、パークゴルフが盛んになりました。
また、「乗馬教室」「ダーツ教室」は、下村加茂神社に古くから伝わる伝統神事「流鏑馬(やぶさめ)」にちなんで、取り入れました。地域に根付いた文化から始まっている競技であること、また活動場所が整っているからこそできる教室だと思います。(平成29年度は)25種目の教室を開催しているので、いろいろな種目から自分に合ったものを選ぶことができますよ。

「ジュニアパークゴルフ教室」の様子

 

気軽に乗馬体験ができる「チャレンジ乗馬」

 

 

それからもう一つは、地域の人々との交わりが多いことですね。
下地区のイベントである地域振興会主催の「納涼祭」では、ボランティアとして毎年協力しています。
ほかにも、下村愛馬クラブ主催の「チャレンジ乗馬」や下村地区体育協会主催の「しもむら歩こう会」など、地域イベントには積極的に協力しています。下地区では昔から、何かあれば住民一体となって協力し合う気質があります。「まいけ」も当然、その一員です。これが「まいけ」の特徴といえるかもしれません。

毎年8月に行われる「納涼祭」では屋台を出している

 

 

—それは、下地区オリジナルの活動スタイルですね。地区の方以外に、交流を持っている団体などはありますか?

 

平成20年に発足した「いみずSCネットワーク」です。射水市には5つの地区があり、それぞれに「総合型スポーツクラブ」があります。各クラブが抱える課題や悩みを共有し、相互の育成を図るというネットワークです。
射水市全体の「まちづくり」に資することも目的として、共通の課題を市に要請することもあります。お互いに連携を図って活動しています。

 

—射水市全体としても“スポーツクラブを通して地域を盛り上げたい”という思いがあるのですね。ちなみに現在抱えている悩みというのは、どんなことですか?

 

一番の悩みは、この先どのように参加者を増やしていくか、ということですね。少子高齢化もあり、地区の若者自体が年々減ってきています。今後は参加者を増やすためのさらなる工夫が必要と考えています。

 

—参加者を増やすために、いま心がけていることはありますか?

 

住民に案内のチラシやパンフレットをただ配布するだけでなく、なるべく顔を見て、声をかけるようにしています。「最近調子はどうけ?パンフレット見た?参加してみんけ?」と、親しみを持って話をするようにしています。小さな地域だからこそ、声がけのコミュニケーションがとても大切だと感じています。

 

—それは地域を元気にすることにも繋がりそうですね。最後に、射水市のNPO法人として、地域の方々にお伝えしたいことはどんなことですか?

 

「まいけ」では、いつでもだれでも気軽にスポーツや文化に親しんでもらいたいと考えています。「まいけ」の教室やイベントに、より多くの方が参加され、いろいろな世代の方が楽しく交流できるクラブにしたいと思っています。

実は最近、下地区だけではなく、近隣の地区の方も参加されるようになってきました。週末には「フットサル」をしに、県内各地から若者が集まってくるんですよ。ちょうど富山県の中心に位置しているので、多地域からも集まりやすいんでしょうね。体育館に若者の活気があふれるのはとても嬉しいことです。このように下地区の住民はもちろん、それ以外の地域の方もどんどん遊びに来てほしいですね。

 

 


「小さな地区だから住民の顔や名前はほとんど分かる」と言っていた事務局長の小澤さんや、スタッフの皆さん。地区全体がまるで大きな家族のようで、その繋がりの強さやまとまりの良さが、活動スタイルに表れていました。
他地域から多くの人が体育館を訪れるのも、そうした温かい雰囲気に惹き寄せられてのことかもしれません。スポーツを通して、地域交流の輪がますます広がっていってほしいですね。


 

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