NPO法人 新湊くらし応援団



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「カモン新湊」は、射水市新湊地区に古くからあるショッピングセンターです。館内には、キトキトの鮮魚が並ぶ食品館や和菓子店、衣料品店、内科クリニックなどが入っています。

その2階の一角にあるのが「新湊くらし応援団」の活動スペース・通称「グランパ」です。フロアからは、子どもたちの元気な声やお年寄りが談笑するにぎやかな声が聞こえてきます。

理事長の島崎明さんとスタッフの米田栄子さんに、お話を伺いました。

 

 

理事長の島崎さん(右)と、スタッフの米田さん(左)

 

 

—(子どもたちの笑い声がフロアに響いていて)子どもがたくさんおられますね。こちらは子育て支援施設と、高齢者のためのサロンの複合施設とのことですが、そもそも「新湊くらし応援団」を立ち上げたきっかけは何だったのですか?

 

 

広い託児スペース。保育士も常駐しているため安心して子どもを預けることができる

 

平成15年にこの「カモン新湊」の運営会社が倒産しましてね。この建物をなんとかして存続させたいとの思いで、関係者とともに日夜話し合っていました。

地元の婦人会や老人会、専門家にも相談した結果、高齢者が気軽に集うコミュニティサロンや子どもの託児所を、住民が求めていることが分かったんです。私たちは、過疎化が進む新湊地区の住民に喜ばれる施設を作ろう、空き店舗を福祉事業に活用し、中心市街地を再び元気にしようと決めました。

そこで、平成16年にNPO法人格を取得し、当施設「グランパ」を開設しました。

 

 

手作り小物がにぎやかに飾られる交流サロンは、イベント時には参加者でいっぱいになる

 

—空きスペースの有効活用、中心市街地の発展、そして住民のための福祉事業とは、一石三鳥のような事業ですね。具体的にはどのようなことをされているのですか?

 

現在は、高齢者向けには趣味の教室やイベントの開催のほか、1階の食品館と提携し、新鮮な地元食材を使った会食サービスも行なっています。イベントは、パステル画教室、きときと体操、フラワーアレンジメント教室、おり紙教室、県内の社会人落語家による「グランパ寄席」、三味線演奏による歌会や詩吟の会、体力測定会など、さまざまな内容を開催していますよ。(毎月の行事は入り口前に掲示してあります。)

 

壁には、毎月第3土曜10時半から行われる「グランパ寄席」の写真が

 

 

イベントの参加者が「ついでに下の階に寄っていこう」と買い物をしたり、ショッピングセンター内の経済効果にも繋がっています。

特に高齢者は、買い物に出かけるのも億劫になりがち。グランパのイベントに参加するついでに買い物をする、買い物のついでにグランパでお茶をする、というふうに利用していただきたいですね。

 

子育て中の親子向けには、乳幼児や放課後児童の託児サービスを行なっています。行政とも提携しているので、射水市在住の方は市から配布される「子育て応援券」も利用できます。おもちゃを修理する「おもちゃの病院」は、実費のみで修理しているんですよ。

スタッフは現在6名です。また、ボランティアの方たちの協力もいただいております。

 

 

「利用者からいただく季節を感じる花は、感謝を込めて飾っています。利用者とのコミュニケーションを大切にしています」と米田さん

 

 

—いろいろな活動をされているのですね。活動を通して、どのような効果を感じますか?

 

高齢者の方が、託児所にいる子どもたちとふれあうことで、元気になるのを感じます。みなさん“グランパの孫”として可愛がっておられますよ。

また子どもにとっても、高齢者とのふれあいは良い影響があると思います。今の世の中、核家族世帯が多く、おじいちゃんやおばあちゃんとのふれ合いが少ない子どもも多いですよね。でも、グランパに来ればいろいろな高齢者の方とふれあえるので、実の祖父母でも近所のおばあちゃんでもない“第三のつながり”ができます。

 

 

—高齢者と子ども、双方にとってプラスの効果がある空間なんですね。活動を進めるなかで、課題と感じることはありますか?

 

はい、年々少しずつ、参加される高齢者が減っていることです。以前利用していた方が体の都合が悪くなったり、老老介護で外に出られなくなる場合も多く、そういう課題を改善するアイデアがあればと思うのですが・・・。

それから、近所に住んでいる方にもっと遊びに来てほしいと思いますね。

1階の食品館には買い物に来るけれど、2階までは上がってこない方も少なくありませんから。新規利用者をどう増やしていくかが、今後の一番の課題です。

現在も「カモン新湊」内の店舗と提携した活動をしていますが、その連携をもっと強くして、地域のボランティア団体ともさらに協働していきたいです。

 

 

いつも新しい利用者さんとの出会いを楽しみにしています」というスタッフの米田さん

 

 

—同じ目的を持つ人々との協働が、これからの活動の課題になっていきそうですね。地域の方に伝えたいことはありますか?

 

グランパは、利用者=地域の方でつくっていく空間ともいえます。地域の方々にはぜひ、“自分たちが地域を守っていく、育てていく”という意識を持っていただきたいですね。

地域を元気にするためには、一人ひとりが元気を出すことが大切だと感じます。無理して頑張るのではなく、いま自分ができることを為すがままに“楽しみながら”続けていかれたらいいのではないでしょうか。

 


 

“地域のために”との思いを持ち続け、楽しんで活動されている様子が伝わってきました。用事がなくてもふらりと遊びに行ける場が“地域の中にある”というのは、高齢者や子供にとって、とても大切なことなのですね。

 


 

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