NPO法人 おがっX研究会



Pocket

“木質廃材ゼロを目指して”を基本コンセプトとして、従来は廃棄されていた木材等の利活用を進める活動を行っているNPO法人「おがっX研究会」。

代表の松原さんに、団体の活動内容についてお話をお伺いしました。

代表の松原さん

―まず、「おがっX研究会」を立ち上げたきっかけを教えてください。

元々工務店を営んでおり、日ごろから解体材やかんなくずなどの廃材の処分に困っていました。従来は有料で処分に出していたりしましたが、よくよく考えたら、かんなくずも再利用・再資源化できるはずだ、と思い立ったのが活動のきっかけです。

そこで、工務店仲間などと共に、木質廃材の有効利用に取り組み始めました。専用の機械も用意し、かんなくずや間伐材、庭木の枝など、様々な木材を再資源化する取組をしていましたが、協力してくれる仲間が集まっていく過程で、「NPO法人を立ち上げたらどうか」という声があり、NPO法人を設立することにしました。

破砕機(写真左)とペレタイザー(写真右)

―「おがっX研究会」では、どのような活動をしているのですか?

不要な木材を引き取り、形状や樹種ごとに分けて着火材、燃料及びスモーク用ペレット、煎じ茶などに加工し、販売もしています。

果樹農園や生産組合から伐採された枝を引き取ることもあるのですが、梨やりんご、桃などは香りもよく、スモーク用のペレットとして大いに活用することができます。また、私たちの活動を聞き、伐採した庭木を引き取ってくれないかと持ちかけてくる方もいるのですが、そうやって引き取ったソメイヨシノやびわの木から、桜皮茶(おうひちゃ)やびわ葉茶を作ることもできます。

本来であればただ捨てられるだけの木材も、その木が持つ特性を生かして加工すれば、素晴らしい活用方法がある。木材には捨てるところはない、人の役に立つ効能が詰まっている、ということを実感しながら、活用方法を探していろいろ実験しています。

ペレットを作る際に出るくずも、固めて着火剤に

―捨てられるはずだった枝や葉にも、様々な活用方法があるとは驚きました。団体名がおがっX『研究』会となっていますが、研究や実験に関するエピソードなどはありますか?

実は、すべての素材がペレットにできるわけではないので、結果として失敗することもよくあります。ペレットには接着剤などの不純物は一切含まれず、その素材が持つ油分だけで固まっています。そのため、油分が少ないとペレットに加工しようとしても、パラパラのままで固まってくれないのです。バラの枝や精油を抜いた後のクロモジは、全然ダメでしたね。また、竹やもみ殻のようにシリカを含む素材は、ペレットにはなるのですが、燃えるときに成分が固まってしまって燃料として使えません。

そうやっていろいろと試行錯誤をしながら、廃材の再資源化に挑戦するのはとても楽しいですよ。スモークペレットに適した樹種もわかってきたので、桜、楓、りんご、梨、桃、ヒノキの6種類を「スモーク6(シックス)」としてセット販売してみようか、ほかにも良い素材が出てきたら「7(セブン)」とか「9(ナイン)」とかに増やそう、というようにアイディアがどんどん出てきます。

不純物を入れない、素材100%のペレットを作っている

また、木材のくずに米ぬかや酵素などを混ぜると、野菜がとてもよく育つというのもわかってきました。ただし、野菜の種類によってはあまり効果がないものもあるので、どの野菜との相性がよいのか研究しているところです。今年はきゅうり、バジル、さつまいもなどの成長がよかったですね。

今はとにかく、いろいろな木に出会っていきたいと思っていますし、こうやって自分自身が研究・実験を面白がっているというのが正直なところです。

おがくずを堆肥として野菜を育てる実験

―再資源化への挑戦をとても楽しんでいらっしゃるのが伝わってきます。できあがった製品は具体的にどのように活用しているのですか?

JAの農産物直売所「菜っちゃん」で、桜皮茶、びわ葉茶、月桂樹を販売させてもらっています。また、射水市農業産業まつりではペレットピザ窯を使ったピザも販売しました。ペレットを燃料としたピザ窯は火力が強いので、わずか2分でピザが焼きあがります。来場者の方にも人気でした。

ペレット窯を使ったピザ

―今後、活動を続けていく上での課題などはありますか?

今の一番の課題は、販路の拡大です。現在は「菜っちゃん」での販売が主なのですが、在庫品が多くあります。作りたいものやアイディアはいっぱいなのですが、それを販売するルートをまだ持っていないというのが大きな悩みで、NPOの会員にもPRをお願いしているところです。

一般家庭ではあまり燻製を作ることはないかもしれませんが、食品関連の会社や飲食店とのコラボレーションができれば、このスモークペレットの良さを多くの人に知ってもらうことができるのではないかと考えています。ペレットもそのほかの製品も、販売の道筋をつけることができれば、将来的には生産の拡大、雇用の創出にもつなげられるのではないかという希望を持っています。

そして、それぞれの樹木が持っている効能や効果を少しでも多くの方に知ってもらえれば、木質廃材を100%再資源化したいという私たちの取組への協力の輪も広まっていくのではないかと考えています。

木質廃材の100%再資源化を目指して

―最後に市民の皆さんへのメッセージをお願いします。

廃材の再資源化を実現させるべく、ペレタイザーや破砕機など高額な機械を揃えたため、収入を得ていくことも必要となります。理想として描いているのは、コイン精米機のようなスタイルです。今までは活用できなかった木材や枝などを市民の皆さんにも気軽に持ち込んでもらって、薪やペレットなどにして再生する。不要だったものが、人に喜ばれるもの、商品価値のあるものに生まれ変わる。そうやって、「木質廃材ゼロ」を目指していく取組を広めていきたいと考えています。

ぜひ、市民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。そして、私たちの取組を応援してください!

 


近年、循環型社会(廃棄物をできるだけ出さず、資源として活用し、最終的にきちんと処分することで、環境への負荷をできる限り減らす社会)の実現が求められています。

「木質廃材ゼロ」はまさに循環型社会を目指す取組そのものですが、活動を心から楽しんでいる様子が印象的でした。射水市からこの取組の輪がますます広がっていくことを期待しています。

 

近々の活動

この団体への連絡

この団体のサービスや活動を依頼したい方はこちらのフォームからご連絡ください。