NPO法人 はぁとぴあ21



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54万人。これは全国の15歳から39歳で「ひきこもり」状態にある人の数です(平成28年内閣府調査)。39歳以上の方も含めると、100万人を超えるそうです。

「ひきこもり」とは“仕事や学校などの社会的参加を回避し、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態”のことをいいます。

ひきこもりや不登校の方やその家族の支援を行なうNPO法人「はぁとぴあ21」の理事長・高和洋子さんから、支援活動についてのお話を伺いました。

 

 

理事長の高和洋子さん

 

 

—なぜ、このような支援活動を始めようと思われたのですか?

 

約20年前、地域の母親クラブで会長を任された頃から、周囲の母親からの子育て相談を多く受けるようになりました。その都度一緒に考えたり、子育ての先輩としてアドバイスしたり、時には勉強会も開いてきました。

平成16年には「青少年育成アドバイザー」資格を取得。近所の小学校に「心の相談員」として勤務し、子供や保護者からの相談に応じていました。不登校やひきこもりに関する相談が年々増加していることや、それが大きな社会問題になりつつあることに気付いたのです。自身の子育てでもさまざまな葛藤や体験をし、「これからもっと人のためになる生き方がしたい」と思うようになりました。それが支援活動に興味を持ち始めたきっかけです。

 

 

—それから平成25年にこの団体を設立するまでは、どんな活動をされていたのですか?

 

平成15年頃から、地域の子どもたちを対象にした手作りお菓子教室「まろんくらぶ」を始めました。公民館の調理室を借り、元気な子も不登校の子もごちゃまぜになって楽しむ教室です。子どもたちの様子を見ていると、中に不登校の子がいても、自然に配慮しながら居心地の良い雰囲気を作っているようでした。そのうち「学校には行きたくないけど、まろんくらぶには行きたい」と言ってくれる子も出てきたんです。

活動を続けるうちに、不登校の子どもをはじめ、行き場や逃げ場がなくて困っている人のための“居場所づくり”がしたいと思い始めました。

 

「まろんくらぶ」では季節のイベントに合わせた教室を開催。地域の多くの子供が参加してきた

 

 

—“居場所づくりを”との思いが、団体を立ち上げるきっかけになったのですね。NPO法人として活動をスタートされ、現在は主にどのような取り組みをされているのですか?

 

平成28年に支援センター「フレンズ」を開設してからは、不登校やひきこもりの方への“居場所の提供”に力を入れて活動しています。学校に行けない子どものためのフリースクールとして、また、年齢に関係なく日中を過ごすための居場所として、居心地のよい空間作りを心がけています。手芸教室やギター教室など、趣味を楽しむ企画も開催しているんですよ。

 

 

不登校の子が通うフリースクールとしてだけでなく、障害児通所支援(放課後等ディサービス)も行っている

 

 

また、平成27年に射水市の市民協働事業「不登校児童生徒を抱える家族支援事業」が採択されてからは、社会問題として啓発する取り組みも行なっています。「子ども若者の生きづらさを考える」研修講座にはのべ800人が参加しました。さらに、自民党富山県議会議員会での講演や、専門家を呼んでの講演会など、さまざまな機会を通して啓発活動を行なっています。

 

富山短期大学幼児教育学科で理事長が「不登校の現状と支援の在り方」について講義

 

 

「第一回不登校ひきこもりサポーター養成講座」では、精神科医の講演も行った

 

 

—活動を進めるなかで感じるのは、どのようなことですか?

 

不登校やひきこもりの方の苦しみはもちろん、親やご家族の苦しみも深刻であると感じます。子供さんのひきこもりを受け入れられるまでには時間もかかり、当人が早期にウンセリングや支援を受けられない原因となっているのです。また、親御さんが世間体や偏見を恐れて周囲に相談できず、ふさぎ込んでしまうケースも少なくありません。

県内でも、あるご家庭に長年ひきこもりの息子さんがおられることに、数十年間ご近所の誰も気付かずにいたという事例がありました。原因は、ご両親が周りからの偏見を恐れて

事態を隠されていたためです。

悩むことや落ち込んでひきこもることは人間であれば誰でも起こりうること、として親御さんご自身がまず寛容なお気持ちも持っていただけることから支援の道が開かれてくると感じています。

そこで「はぁとぴあ21」では、親ごさんやご家族を対象に「親の会」を立ち上げました。「親の会」では主に“ピアサポート”という形をとっています。

ピアサポートとは、同じ経験を重ね苦しみを乗り越えてきた経験者(当事者であり仲間でもある)との交流を行い、その体験談やアドバイスをしながら苦しみに寄り添うものです。相談者からは「心が軽くなった」「子供への見方が変わった」などの声が寄せられています。

 

「親の会」では、勉強会や交流会も行なっている

 

 

—不登校やひきこもりに苦しむ多くの方々に知ってもらいたいですね。今後、この地域にある支援団体として、どのような取り組みをしていきたいですか?

 

行政や地域の支援者の方々との連携を、早急に深めていきたいと考えています。前述したような理由から、ひきこもりの状態にあっても周囲に打ち明けられずにいる方が多いため、地域も行政も、その実態を把握できていないのが現状です。

まずは民政委員や児童委員さんなど、地域の事情を熟知している方とのネットワークを作り、多くの方に支援が行き届くよう、住民レベルで活動の輪を広げていきたいですね。

 

 

—最後に、地域の方々に伝えたいことはありますか?

 

秋田県藤里町の例があります。ひきこもりのための就労支援事業によって、元ひきこもりの方々が状況を克服し、さらに「町おこし」に活躍されているんです。今では全国から参加希望者を受け入れて、就労体験プログラムを実施されています。その素晴らしい取り組みに、全国から視察に訪れているそうですよ。

射水市も、ひきこもりだった方々が活躍するような場をつくっていきたいですね。寛容な支援体制がある地域になってほしいと思っています。

 

そのためには、私たちのような団体が積極的に働きかけていかなければいけません。こういった支援活動は、地域の人々との連携なしには実現できないと思っています。この世の中に、寛容な意識が浸透していくよう、今後も少しずつ、でもしっかりと活動を続けていきたいです。

 

 


 

数々の支援を行ってきた高和さんの活動に触れ、これはひとつの団体だけでなく、地域全体で取り組むべき課題であると感じました。不登校やひきこもりに苦しむ人やその家族が声をあげられるようにするために、まずは地域住民一人ひとりが他人の苦しみに寄り添う“寛容な心”を作っていくことが大切なのですね。今後も「はぁとぴあ21」の活躍に期待したいです。

 


 

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