NPO法人 小島バラ会



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華やかで美しいバラ。恋愛や情熱の象徴として、多くの人々に親しまれてきた「花の女王」と呼ぶにふさわしい存在です。このバラ、初心者には育てるのが難しいそうですが、まるでアート作品のように美しく育てているのが、NPO法人「小島バラ会」です。市内が花でいっぱいになれば嬉しいと話す代表の山元美喜雄(やまもとみきお)さんに、バラ園にて、お話を伺いました。

 

 

見頃の時期になると、様々な色のバラが花開く

 
 
—多くの木が植えてありますね。咲き誇る様子はさぞかし美しいことでしょう。

 

バラの花は5月下旬から6月上旬と、10月中旬から11月上旬あたりが見ごろです。よく見かける赤いバラはもちろん、白やピンク、黄色も並びますよ。高さも様々で、私たちの身長より高く育つものもあります。満開の時期には見学に来られる方もいらっしゃいますよ。

 

 

 

 

—大きなフレームにツルが巻いてありますが、これもバラですか?

 

そうです。つるバラと言って、「つる」という名前が入っていますが、自分から絡みにいくわけではないので、私たちが手を入れてフレームに巻きつくよう、誘引しています。大きく立体的な作品は、迫力がありますからね。他にも、野生に咲くノイバラの苗に別のバラの木を接ぐ「芽接ぎ」のバラや、ノイバラの枝を挿し木して「接ぎ木」する「スタンダード仕立て」と呼ばれるバラも育てて作品にしています。様々な方法を試しているので、バラの種類も栽培方法もたくさんあるんです。

 

 

—バラは切り花のイメージがありましたが、ツルが長いものや高さがあるものなど多種多様なんですね。

 

地方によっても違いますよ。関西では大胆に枝や葉をカットする「強剪定」の低いバラが主流ですが、関東では姿や形を整える「弱剪定」の高いバラが主流です。それぞれ“いいバラ”の見解が違うんでしょうね。また、雪囲いの方法も少しずつ違います。育て方に地方色が出るのもバラが面白いポイントですね。

 

 

—そもそもバラに興味を持ったのはいつ頃ですか?

 

15年ほど前に体調を崩し、気持ちが塞ぎがちになった時期がありました。その時にバラの苗を購入したことがきっかけです。植え替えて、春にはそれなりに咲きましたが、その後次々とバラの木が枯れていきました。その時初めて、バラ作りが難しいことを知りました。その後は高岡バラ会に入会し、栽培のテクニックを学びました。以前はキクやボタンなど他の花も育てていたのですが、気づけばバラばかりを育てていました。

 

 

—バラを育てるのってそんなに難しいのですね。そこからなぜ、NPO団体を立ち上げようと思われたのですか?

 

住民の方々と一緒に、バラ栽培の普及に取り組みたいと2008年にまず「小島バラ同好会」を作りました。公民館にバラの花壇を作ったり、公民館で行われるコンサートでバラを飾ったりして活動しました。翌年、もっと広く活動しようとNPOの申請を出したんです。2011年5月には自分たちのバラ園が完成し、市長をはじめ、地元住民の方々が大勢お祝いしてくれました。今はバラを育てた経験がない人もいれば、自己流の栽培方法を確立させている人まで、様々な方が会員になっています。

 

 

高岡おとぎの森公園で行われた展示会

 

 

—普段の活動はどのようなことをしていらっしゃるんですか?

 

公共施設や商業施設などでバラの展示を行っています。人の背丈を優に超してしまう高さのバラは、訪れた方々を驚かせます。近くにある「大島くるみ病院」やあいの風とやま鉄道「越中大門駅」の構内にもバラを飾っています。作品の展示を毎年楽しみにしてくれていますね。バラの花びらを湯船に入れて楽しんでいただいたり、患者さんがバラ園に来てくださったりもします。

地域との交流も行っています。近所の小学校の生徒と苗の植付けを行ったり、保育所や幼稚園の子どもたちにバラ園に遊びにきてもらったりすることもありました。他にも射水市大島絵本館で行われる音楽コンサートのステージにバラを飾っています。ピアノやハープとバラの共演はとても見ごたえがあり、目と耳、そして香りで癒される、言葉では言い表せない場所ですね。

 

 

大島農村環境改善センターにてバラ作り講習会。多くの参加者が集う人気を集めている

 

 

大島絵本館でのコンサート。飾り付けも全て自分たちで行う

 

 

—市内の様々な場所で小島バラ会さんの作品が見られるのは楽しいですね!県外との交流も何かありますか?

 

東日本大震災の被災地の仮設住宅へバラの鉢を贈りました。震災から1年経った頃でしたが、被災地はまだまだ大変な日々が続いていたので、バラを見て少しでも癒されてほしいという思いから贈りました。この活動もそうですが、展示会や小学生との苗植えなど、よく新聞に取り上げてもらいます。

 

 

—バラは紙面でも映えそうですね。今後の目標などはありますか?

 

この方法だとうまくいくという方法を確立したいと思っています。高岡バラ会でバラ作り講習会を行うこともありますが、それぞれ栽培方法が違うこともあります。どれも正解ではあるんですが、正直こうしたら絶対うまくいくという方法は、まだないんです。

 

 

—最後に市民の方へメッセージをお願いします。

 

忙しい時や心が疲れている時にこそ、花を愛でる心の余裕を持って、バラを見に来てほしいです。またバラを育ててみたいという方も歓迎です。最初は難しいかもしれませんが、一つ一つの工程を丁寧に教えます。私も、小島バラ園や畑で、バラの手入れをよくしているので、散歩がてら遊びに来てほしいです。

 

 


 

展示会場に並ぶバラの作品は、どれも山元さんや会員のみなさんが丁寧に手入れした傑作品。切り花のイメージが強いバラですが、立体的なアート作品へと華麗に変身するのを、目のあたりにできます。毎日のようにバラ園に通い、愛情を込めてバラと接している山元さん。手入れされているバラたちも、きれいに咲き誇ることで、山元さんへ愛を返しているのかもしれません。

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